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2008.04.24 (Thu)

【わわわ帝国序章】我が往くは未知の大海 後編

「赤旗軍・・・・・・!!」

海賊の一人がうめくように、赤い水夫達の正体を告げた。

赤旗軍。通称レッドフラッグフォースは、7つの海を股に掛ける艦隊の通称である。ネーデルランドではある種の英雄とされており、その赤く染め抜かれた着用品は敵の返り血で染めたといわれるほどの猛者ぞろいであり、その戦闘力はヨーロッパ中に広まっていた。

その赤旗軍の中にひとり、黄金の仮面をかぶった男がいた。

彼が一歩前にでて、ひるむ海賊達にむかって声を上げた。

「私は、赤旗軍総帥、赤羽根である。この船のクルー達は我々の命の恩人である。我々は彼らを守る準備はできている。海賊達よ、もし彼らを害しようとするのであれば、諸君らの命は今日、この場で費える。このまま撤退をするのであれば感謝こそすれ、追い討ちは掛けぬ。ここで無駄死にをするのか、あるいは生き延びて別の獲物をさがすのか、考慮してもらいたい。」

赤羽根と名乗る男が一息つくと、海賊達は息を潜め、沈黙が看板を支配した。

痺れを切らしたか、沈黙に耐えられなかったのか、一人の海賊が、少女めがけて飛び掛って行った。

少女の護衛が守りを固め、海賊がそこへ剣を振り下ろそうとしたその時、

海賊の胴が二つに割れ、上半身は血を噴き出して看板に転がった。下半身は力なくひざを割り、看板に崩れ落ちた。

赤旗軍の一人が瞬時に間合いをつめ、海賊の左側から胴を薙いだのだった。

【More・・・】

「・・・海賊たちよ、もう一度言う。今の彼のように無残な姿を晒したければ、望みどおりにしてさしあげよう。それを望まぬのであれば、早々に撤退するが良かろう。追い討ちはしない。」

少女は呆然と先のやり取りを眺めていた。ふとわれに返ったときに、ここにきてようやく状況が好転していることに気づき、安堵でひざが笑い始めていた。

「いいか!!下種ども!!この赤羽根に二言があると思うなよ!!」

静寂が再び船内を包み込んだ。

先程の斬撃のすばやさはまさに達人級であることは素人の少女から見ても明らかであった。


どれほどの時間が流れたであろうか。相変わらず聞こえてくるのは波の音と、遠くで聞こえる大砲の炸裂音、そして、海賊たちのひそやかな吐息だけであった。

少女は水夫の肩にしがみつきながら、ようやっとこの無限とも思える重苦しい空気に耐えていた。

やがて、静寂は破られた。海賊船から撤収の鐘が鳴り響いた。

助かった、といわんばかりに海賊達は一目散にガレー船に走りこんでいった。

収容を終えるが早いか、ガレー船はオールを漕ぎ出し、帆をあげて、少女の船から離れていった。

ガレー船が水平線のかなたに消えるころ、少女は半ば放心状態のまま辺りを見回した。

看板にのこっているのは何人かの死体であった。看板には血がながれ、つい先程までここで起こっていた事が、夢幻ではなかったことを再確認させられた。

赤羽根は少女の前へ歩み出て、仮面を外し、ひざまずいた。

「挨拶が遅れて申し訳ありません。我々、赤旗軍の命を救っていただき感謝いたします。我々はインドに向かい巡航中のところ、故あってあのような場所で難破しておりましたが、ここでお話をするのもなんですので、近くの港に寄港させていただきたいのですが。」

仮面を外した赤羽根の目は、陽光の踊るような輝きをみせ、その表情は歴戦の猛者というより、遊び盛りの少年のような印象であった。

少女はそのことに驚きながらも、まずは略奪の危機を救っていただいたことに感謝し、頭を下げた。

そして最寄の港に寄港するための指示を水夫に出したところで、赤羽根が再度、口を開いた。

「ところで、貴女のお名前を拝聴していないのだが・・・・なんと呼べばよろしいでしょうか?船長」


あっと驚いた顔をうかべたのち、少女はてれくささから、うなだれて、指を交互に動かしていた。

少しの後、赤羽根に立ち上がるよう促し、彼の顔をみて微笑んだ。









「私の名はゆきゆです。今回は助けてくれてありがとうございます。何もありませんが、港に寄港するまでゆっくりしていてください。」













・・・これは、地球上の人の営みのほんのささやかな出来事であった。

この出会いが後世まで語られるようになるとは、当人達でさえも知る由もなかった。

だが、確かにこの瞬間、歴史が音を立てて動き出したのである。





                ―我が往くは未知の大海・完―
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タグ : まだまだ続きます。

15:23  |  短編書き下ろし  |  トラックバック(0)  |  コメント(2)

Comment

あとがき

え~・・っと。

なんとか書き下ろしてみました。

台詞をいれずに書こうと思ってたんですが、やっぱり入れてしまいました><

こまかいところでの描写がうまくいかず、へこんでおります。

ちょくちょく書き加えていきます。

みなさんのアイデアとかあったら教えてください。

なお、この物語はフィクションです
ミッターマイヤー |  2008.04.24(木) 16:08 | URL |  【編集】

ミタさんありがとwかなり格好いいよ(  ̄ー ̄)*キラ

ン またこないだみたいに旅に出ようねんw
赤羽根 |  2008.04.25(金) 11:16 | URL |  【編集】

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