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2013.03.06 (Wed)

存在が疑わしきものについて ~「無題」の前振り~

物書きを自称する男は、とある酒場にて食事をとっていた。

マスターとの会話の中でなにか書けるようなネタがないとぼやく。

それを耳にした店内の別の客である交易商が作家に声をかけ、彼にとってはとびきりの話をしようとしている。

少し話を聞いていると、幽霊の話のようだ。

しかも、この街に現れると言う事らしい。

幸いにも、今は昼の繁忙期を過ぎ、客はカウンターにオルチャータをたしなんでいる少女が1人のみ。

交易商にラムをふるまいつつ、メモを片手に交易商のほうをじっと見つめている。


「へへ。先生。そんなかしこまらんでも、肩の力抜いてくださいよ。りきむのは話を聞いた後、実地調査するときでもかまわんでしょうに。」

そう言われて、作家はきょとんと見透かされたような顔をして、照れ臭そうに頭を掻いた。

「噂の現場に行く事まで見透かされていたとはね。」

「あたりまえでしょう。噂話だけでメシが食えるならみんなその辺の話をでっちあげて、出版してますよ。」

その交易商はけらけらと笑い声をあげた。


ごもっともな話だ、と作家は思った。さらに、そんな奇怪な噂話であれば、好奇心がもたげてきて、真相を確かめずにいられなくなるだろう。

ラムを一口飲み、姿勢を正して向かいでにこやかにしている交易商に、改めて話しをきかせてくれるよう促した。

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19:55  |  短編書き下ろし  |  トラックバック(1)  |  コメント(0)
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