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2010.10.21 (Thu)

激戦未だ冷めやらず

イスパニア艦隊は善戦をしていたが、先端が開かれて数カ月、いまだ決定的な戦果をあげれずにいる。黒鯱とバーボンハウス独立艦隊が加わった今回の遠征であるが、この状況は当人達はもちろんのこと、イスパニア本国に至っては露ほどにも思わない状況であった。善戦、といったのは海戦のさなかに敵艦拿捕に成功、海賊幹部を捕らえることに成功した、という戦果があったからで、それ以外は特筆すべき戦果をあげる事ができていなかった。
 なによりもその苦境ぶりを象徴していたのが、先端が開かれて数カ月経過するにもかかわらず、本国への報告を送っていなかったのである。それ程までに神経を張り詰めた戦になってきている。
 マルナードを中心としたカリブ海賊は、城塞ポルトベロに立てこもり、トルヒーヨからの海上艦隊を迎撃する戦術をとっていた。城塞からの砲撃で艦隊を牽制し、統率が乱れたところに、ラムを装着した数隻のガレー船で船腹に穴を穿ち、白兵戦へとなだれ込んでいく。白兵戦で船を占拠できなくとも、ラム突貫で空けた穴からの浸水被害が、船を深刻な状況に陥れる。これを繰り返されて、イスパニア側の戦力は低下してしまう。

イスパニア艦隊はトルヒーヨを拠点にしていた。ポルトベロへは陸路も検討していたものの、バルタザールあるいはバーボンハウスの面々が指揮をとることになり、兵力分散による確個撃破の危険性があること、ポルトベロの城塞が鉄壁を誇っていることもあり、海上からの一点突破を試みていた。
地虫のように海上を這いまわる小型ガレー船を前に、帆船中心のイスパニア艦隊は苦戦を余儀なくされる。
フリゲート艦を中心に編成され、疾風の二つ名をもって知られるミッターマイヤー艦隊にあっても例外ではなく、
何とか激戦をくぐり抜けて、自らの船も損傷を免れない状況のなか、硝煙の匂いと返り血を纏って下船した司令官は、どうしたものかと頭を抱えんばかりであった。


「なかなかお困りのようだな、疾風の」


バーボンハウス艦隊をささやかに出迎えたのは、彼らより少し前に帰還していたバルタザールであった。

ミッターマイヤーはやれやれと肩をすくめ、黒鯱の胸を拳でどんと突いた。




「返り血をぬぐいもせずに・・・まったく。からかいにでも来たのかな?そんなことより、あのシーゴイセンもどきを何とかする策でも練っていたらどうだ。」

「いやいや、そう目くじらをたてんでくれ。俺もそれについて話をしようと思ってあんたを待っていたんだ。実はな、拿捕した船から数人引っ張ってきたんだ。」

「捕虜か」

「ああ、そのなかにマルナードの側近らしき野郎がいるんだ。策を練るに有効な情報を持っているかもしれん。」

「ふむ。」

「ちと、手荒い事をやる必要があるかもしれん。口を割らせてみせるさ。こちとら悠長にやってられないからな。」









・・・数日後、捕虜の自白により、ポルトベロ城砦内部へと続く地下道があることが判明した。艦隊戦で埒があかない以上、陸路で活路を見出すチャンスに思えた。





バルタザールはこの情報をミッターマイヤーに告げた。しばらく考え込んだのち、頬に十字の傷をつけた男はグラスを空けた。

一息つくと、鋭いまなざしをバルタザールに向けて、己の考えを告げた。


「地下道を通り、ポルトベロを占拠する。」


非常に端的に述べた後バルタザールの反応をまたずに続けた。


「黒鯱艦隊、イスパニア海軍と、一部のバーボンハウス独立艦隊を持って、洋上で時間を稼いだもらいたい。出来る限り、城塞内には敵が少ないほうがいいのでね。」

「確かにそうだが・・・、お前さん以外は誰が行くのかね?」


「探検隊の編隊長を務めていたうちの冒険娘と、カバーリョ中佐を連れて行く。あとは・・・そうだな、エドゥアルドを連れて行きたいんだが。」


「ほお・・・、何かおもうところでもあるのかね。」


「まあ、カバーリョ中佐とあのイダルゴ風情とは妙に気が合うようなのでね。それに、こういった緊張感のある作戦に参加することで、彼もあなたに近づけると意気込むんじゃないかな。」


バルタザールは眉をぴくりと動かした。が表情には出さず、そのまま腕を組んで考えていたがすぐに顔を上げてエドゥアルドの随行に許可を出した。






作戦の決行は翌早朝に決まった。バルタザールと別れ、自らの宿舎へ戻る途中、ミッターマイヤーは同時期に商会を脱会し、この作戦に参加しているキャプテンをたずねた。彼は明朝にやはりトルヒーヨを出港し、セビリアへ捕虜を乗せる一段を護衛する任務を帯びていた。途中、サントドミンゴに駐留している財閥の艦隊と合流する予定だ。

「キャプテン、留守番を任せている赤髪の大将から、飛び切りのウィスキーを預かっているでしょう。それを私に預けてくれませんか。」

「え^^;それは構いませんが、陸路を行くのに邪魔になりませんか。」

「心のよりどころなんですよ。あのこだわりやの大将が持たせてくれたウィスキー。これを見ると、まだ私には帰れる場所があるって思えるんです。だから、そう簡単に死ぬわけには行かない、必ず戻って、土産話を肴に乾杯してやる、いや、しなければならない。そう思わせてくれるもんなんです。」


「・・・・なるほど、やはり貴方もバーボンハウスの一員ですね。会長」



「私はもう会長じゃないですよ。戻る時は一介の商会員です。」




握手をして、二人は別れた。


ミッターマイヤーは宿舎へ戻り、先程キャプテンから預かったウィスキーをグラスに注いだ。



「琥珀色の液体に、数々の想い出を、か・・・」




その琥珀色の液体が入ったグラスを眺めながら、彼が商会員として在籍していた時の頃を思い浮かべた。



「おっと、まだ想い出に浸るのは早いな。全ては明日が終わってからだ。」



明日は存分に人を斬る事になりそうだ。


彼にとっても、久しぶりの陸戦指揮である。緊張感と同時に、高揚感が彼の体を突き抜けていた。





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17:37  |  短編書き下ろし  |  トラックバック(0)  |  コメント(3)

2010.10.14 (Thu)

近況

別のブログを更新しつつ、書き物執筆中。
13:56  |  日常  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

2010.10.02 (Sat)

今日はオレの×××だぜ!!

誕生日だから、久しぶりに更新してみたZE!!!













誕生日1
















プレゼントは随時絶賛募集中です!!!



21:43  |  日常  |  トラックバック(0)  |  コメント(2)
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