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2010.02.05 (Fri)

錆ついたマスケット銃 異説①

あの銃を手放した時が、俺にとっての百年目ってやつになっちまった。

とある交易船から分捕ったマスケット銃。
素直に有り金出せばいいものを、一端に抵抗してやがった。
接舷してのりこんでいったら、多勢に無勢ってやつで、甲板は奴らの血に染まった。
残った船長とその副官らしい奴らがしぶとかった。なんとか仕留めたが、こちらの船員も、怪我をしていない奴がいなかったくらいだ。
それほど、あの船の連中は名うての猛者だった、ていうことか。
その船長が持っていた、少々派手なマスケット銃が目に入って、それを戦利品として頂いた。
無学者の俺には分からねえ家紋やら文字やらが刻んであったし、売れば値が張るんじゃないかと思ったが、リスボンで船の改造を依頼した時に、マストがあれだ、艫(とも)の補強がどうだとぼやく、造船所の親父に、餞別代りにくれてやった。それでもやつの愚痴はとまらなかったがね。


さて、そんなことも忘れるくらいの月日が経った。

俺はあいかわらず海賊家業を続けている。公設海軍を自称する連中らと戦い、航行中にたまたま近くにいた交易船を襲い、海賊同士で仕掛けあいしてみたり。


カリブの海賊島、ホロに着いたときに、酒場の親父から声をかけられた。

「おい、あんた、個人的にどこかの商会を敵にまわしていないかい。」

俺はきょとんとした。

「なんだそりゃ、おりゃあ海賊稼業でメシくってんだ。襲ってナンボなんだぜ。そんな選り好みしている暇あるかよ。」


「ごもっともな意見だ。だがなあ、あんたのことを血眼になって捜している連中がいるのは確かなんだ。」

親父の様子からして、単なる噂話じゃなさそうだ。俺の身の上にかかわることだから、聞いておいて損はなさそうだ。

俺はおもむろに金貨を五枚、親父に放り投げて、話を続けた。

「親父。それはどこの商会か、わかってんのかい?」

「名前まではわからんがね。セビリアにある商会ってことらしい。」

「それで、俺を捜している理由はあるのかい。」

「あくまで噂だがな。あいつらの先代のボスが最近姿を見なくなったんだが、商会員で捜していたら、以前にあんたが襲ったらしい。噂だぞ、これは。」

「噂はともかく、なんで俺が襲ったなんてことがわかったんだよ。船が沈んじまえば、よほどのことがない限りわからないはずだぜ。親父ぃ、悪い冗談は顔だけにしてくれよ。」


そういって、ビールを飲み干すと、俺は仏頂面の親父をおいて、酒場を後にした。


その日以来、特にその商会についての話を耳にすることもなく、いつものように、獲物を求めて、ジブラルタル海峡からアフリカ方面へと向かう途中、補給のためにラスパルマスに寄港した。

とりあえず一息入れるか。俺は酒場へと向かった。

海賊になってからというもの、陸にあがっても、警戒は怠っていない。護衛の副官もいる。短い間でも何が起こるかわからないのだ。

酒場に入ろうと扉に手をかけた時、副官がいないことに気がついた。否、いないのではない、俺の足元に血を流して転がっていた。

俺はわけがわからなかった。顔を上げると、俺の知らない連中が5人、銃を構えて立っていた。そのうち二つの銃口からは煙があがっている。

その様子から、副官をやったのはあいつらだと言うことがわかったのだが、なぜ副官が撃たれ、なお、俺に銃口が向けられているのか。俺にはわからなかった。

「・・・いったい、これは何の真似だ。」

事態が飲み込めないまま、ありきたりの言葉が口から出た。


すると、5人のうちの真ん中に立っている、虎頭を被った小柄な男が、銃口を向けたまま答えた。


「敵襲だよ。」


虎頭の横にいた頬に傷のある男が、古びたマスケット銃を抱えていた。それには見覚えのある家紋と、少々派手な装飾が施されていた。


俺は観念した。




・・・あの銃を手放した時が、俺にとっての百年目ってやつになっちまった。



















・・・ちょっと色々考え付いたもののうちの一つ。もういっこくらいかくかもしれません。

バーボン物書き部設立かな??

次は誰が書くのやら。



しまった。 一杯のウィスキーが描写されてないっ

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02:44  |  短編書き下ろし  |  トラックバック(0)  |  コメント(3)
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